最近、甥っ子の影響でジブリ作品が毎週のようにテレビで流れていて、あらためて「やっぱりジブリっていいなぁ〜すごいなぁ〜。」と実感する日々を送っておりました。
そんなタイミングで、ある日、本屋さんで『新装版 ジブリパーク公式ガイドブック』を見つけて即購入!

ページをめくるたびに、これはテーマパークというより「体感する美術館」だと確信。
三鷹の森ジブリ美術館も行ったけど、“実物”になったジブリの世界が見られるのは、愛知のジブリパークだけ!
ということで、行くことにしました!
リサーチ・準備編
まず、ジブリ作品を8割ほどDVDを借りて見返したのはもちろん、他に借りたのがこれです!
『ジブリパークができるまで。』

これがもう、ジブリパーク行く前に見て本当に良かった。
ジブリパークは、宮崎 吾朗さん(宮崎 駿監督の息子さん)が全体監修を手がけ、鈴木敏夫プロデューサーやスタッフとの話し合いで"愛・地球博記念公園”の既存施設を活かす方針になったそうです。
また、やりたいことをすべて詰め込み、実際にできる・できないで判断していったそう。
アニメで描かれた世界を「現実にする」って、、、
どこまでを再現?スケールは?材料は?色は?大きさは?予算は?発注先は?考えただけでも過酷ですが、様々な職人さんの細部までのこだわりが垣間見れました。
『新装版 ジブリパーク公式ガイドブック』

パークの周り方や下調べはこちらのガイドブックにて。
1日で回れる箇所を抜粋。今回は、『どんどこ森』『魔女の谷』『ジブリの大倉庫』に行くことにします。
(『もののけの里』『青春の丘』は後日絶対行きます。)
営業時間内にどれだけ見て回れるか勝負どころなので、MAPをすべて頭に入れ、子どもと歩いても余裕で回れるスケジュールを組みました。
他のテーマパークとの違い、つまり『ジブリっぽさとは何か?』という問いについて、さまざまな解釈が紹介されていたので、その中から印象的だったものをいくつか抜粋してみました。
ジブリっぽさとは何だろう
・和洋折衷。和は、大正や昭和初期・モダンの時代(当時ヨーロッパ的なものをやってみたかったからだそう)
・懐かしさやリアリティを感じるのは、心地の良い理想的なものが描かれているから
・建物がおもしろいのは高度経済成長期(1950〜1970年代)のモダニズム世代の人たちが作っていた頃くらいまで(アニメでも音楽でもすべてそのコピー)
・本物の素材を追求していくとジブリらしさが出る
・SF、動物、作品それぞれがその時の興味のあったもの。つまりいろいろなもののコラージュ。
これらを念頭に置いておくと、調べるのがホント楽しい!行くのがとっても楽しみになってきました!
『ジブリの立体建造物展』

見に行く建物も気になったので、以前三鷹の森美術館で購入した本も見返しました。
"だから、建物の建てられ方というよりは、建物の住まわれ方に興味があるんです”(宮崎 駿)
という言葉が頭から離れません。
私は、ジブリ作品すべて好きですが、特にアリエッティの父親ポッドが日々の生活のために工夫を凝らしている部分が好きで何回も見入ってしまいます。
でもこの本を読んで、「日々どう過ごしているのか」は、建物の時代背景や構造、室内の家具やその配置からも見えてくるのかもしれない――そんな気づきがありました。それ以来、ジブリ作品を見るときに、建物の造りや背景を読み解くのも楽しみのひとつになっています。
例えば、
・『ハウルの動く城』の「内びらき扉」は、外敵の侵入を防ぎやすい。←中世ゴシック風(ヨーロッパ)。日本の城などでも「内びらき扉」が使われている。
・『千と千尋の神隠し』の「擬洋風建築」は、ルールはお構いなしにいろんな様式を混ぜて好き勝手にしたもの。何か新しいものをつくりたいという明治の大工さんの強い要望や情熱が感じられる。
・『トトロ』の巣穴は、木肌の洞窟で行くはずだったが、調和しない。苔を描いたら湿り気があるだろうからトトロが住みたがらないだろう。湿気を感じさせないように中を全部明るくしてきれいな花もいっぱい咲かせて、ここは別世界にしようとなった。
など、アニメーションの世界でありながら現実の世界を注意深く観察した上で、登場人物の生活、時代などの想定、検証を十二分に経てデザインされたものだと知りました。
ジブリの建造物から登場人物の生活の工夫を感じ取ることができる!これこそが、他のテーマパークにはないジブリパークだけの醍醐味だと感じました!
ちなみに、ジブリパークの展示品はほとんど触ってもいいそう。たくさん触って五感を刺激したいです!
『アニメーションの色職人』

色彩の勉強をしていたときに出会った『アニメーションの色職人』。
宮崎 駿監督が「戦友」と呼んだ、ジブリ作品の色彩設計を担当していた保田道世(やすだ みちよ)さんの人生が綴られた一冊。
私にとっても憧れの存在であり、仕事の進め方や色との向き合い方が丁寧に描かれていて、“背筋が伸びるような本”でした。
この仕事で必要なのは、感じ取る力・体力かな?そんなことを考えるより、とにかく手を動かそうってなります。笑
チケット購入
今回選んだのは、すべてのエリアに入れる「ジブリパーク 大さんぽ券プレミアム」。他にもチケットの種類がいくつかあるので、気になる方は公式サイトで確認を。
プレミアムチケットは毎月10日の14時から販売開始。行く月の2か月前からの予約が必要なので、計画はお早めに!
とはいえこの予約、なかなかの戦いです。ネット予約は販売開始と同時に即・売り切れ…!
そこで、Instagramの先輩たちの知恵を借りて、ローソンのロッピーで挑戦することに。
ロッピー前で20分陣取り → 14時ぴったりでリロード地獄スタート → 20分間連打の末、なんとかゲット!
※連打しすぎても、また始めのTOP画面に戻ることがあるので要注意です。
無事にプレミアム券を確保できたものの、建物内すべてを見ようと思うと1日では時間が足りません。
どこに時間をかけるか、事前に取捨選択するのがおすすめです!
ジブリパーク訪問当日
8:30 ジブリパーク・西駐車場到着

↓🚶♀️歩いて20分。

9:00〜11:00 どんどこ森
サツキとメイの家
2005年に愛知県で開催された国際博覧会「2005年日本国際博覧会(愛・地球博)」時に作られた家です。
映画『となりのトトロ』に登場する、サツキとメイの暮らす昭和30年代の日本家屋を忠実に再現した建物で、細部にわたって生活感のある設計がされています。
柱の傷や風呂場、井戸、押入れに至るまでリアルに作り込まれており、まるで映画の世界に入り込んだような体験ができました。


中は撮影禁止なので外から撮影しました。
引き出しのおはじき、床下のどんぐり…台所も生活感ありました。もう全部リアルで子供から大人までテンション上がります!こんなところに住めたらいいね〜なんて話しながらどんぐり拾いに夢中。
↓歩いて5〜10分
どんどこ堂・どんどこ売店
自然素材で作られたトトロ。

壁土は、左官職人さんが日本家屋と同じ技法を使って塗り込んだものだそうで、
目と鼻は瀬戸焼の焼き物、爪とヒゲは刀鍛冶の職人さんが作り上げた職人技の結晶でした。
『ジブリパークができるまで。』にて、職人さんにトトロのフォルムについて「ここもう少しこうだね。」と言っていたところが、趣味である粘土細工の参考になりました。

かつて名古屋市内を走っていた路面電車をモチーフにしたスロープカー「どんどこ号」に乗ってふもとまでおります。
車椅子やベビーカー優先です。
どんどこ処
「どんどこ森」の入り口前にあるお土産屋兼休憩所です。
子どもが暑そうにしてたら、スタッフさんがアイスパックをくれました😭神対応すぎる。パーク系のスタッフさんってなんでこんなに優しいの!!
10:00〜 ネコバスAPM乗車
人がいない森の中を走るこのルート、清々しくて気持ちよかった〜!!椅子もふわふわでネコバス乗ってる感あってとっても感動しました。
無料の園内バスもありますが、お金をかける価値ありです!
10:10〜10:30 朝ごはん兼、昼ごはん
ついた先は「もののけの里」前。魔女の谷エリアに向かって5分くらい歩くとベンチがたくさんあるのでお弁当休憩することにしました。
※魔女の谷エリアを出た少し前に、遊具があり、子どもがいる場合は、30分は遊ぶ時間確保しとくと安心です◎
11:00〜13:45 魔女の谷エリア
一番楽しみにしていたのがこちら!魔女の谷です。

中に入るとまた一段と違った雰囲気が感じられます。


レストラン「空飛ぶオーブン」は今回行かないので素通りして、

きゃー!!ジブリの世界に迷い込んだみたい!!これは震えるくらい感動!!ジブリの魔女たちが住んでいそうな街!!外観はどこもきれいで可愛いです!!
ハウルの動く城
高さ20mのハウルの動かない城です!1時間に数回煙を出します。天気が良い日は後方に洗濯物が干されているそうです。

中は撮影禁止なので外からたくさん撮りました。

部屋や机の上、蜘蛛の糸、何から何まで忠実に再現されていて圧倒!!ガラクタが多い!!
・居間:カルシファーの炉や食べかけの食事が置かれたテーブル。引き出しを開けて中身を触りまくりました。ソフィーの麦わら帽子やマルクルのマントもありました。扉のドアノブ回すと外の世界が変わるしかけもあります。
・ハウルのアトリエ:映画には登場しない部屋。ここも乱雑にモノが置いてある!
他にも、ハウルの衣装部屋、浴室、マルクルの部屋、ハウルの寝室どこも印象的ですが、とくにハウルの寝室は、まるで夢の中に迷い込んだような感覚で、自然と目も心も奪われていました。世界各地のお守りや奇妙な置物を集めたくなりました。
オキノ邸
キキの実家です。


入ってすぐ左には、母のコキリが魔法で薬を作る店「魔女の店」があります。
いろんな薬草に囲まれて、将来は、こんな家に住みたいなぁ…。誘惑と魅力がそこらじゅうに散りばめられていました!
そして、いたるところに飾られていた刺繍アートがまた最高にかわいくて、帰ってからさっそく刺繍はじめました。
グーチョキパン屋

グーチョキパン屋さんは大人気で、今回は外から見学だけ。
窓に飾ってあるパンで作られたキキの看板が、とにかく可愛くてキュンとしました。ジブリ共和国で売ってるこのキーホルダーほしいな。

屋根裏部屋も入れたのですが、写真を撮るのに夢中で、中に入るのを忘れていて大ショック…。私としたことが!

『アーヤと魔女』ベラ・ヤーガとマンドレークの家

ジブリ作品で3DCG?!ちょっと戸惑ってずっと見てなかったけど、これを機にと最近見た『アーヤと魔女』。
話の中で出てきたベラ・ヤーガが受注で薬草レシピを作ってるグリモワールのノートがじわじわ欲しくなってきている自分がいました。
今回はグリモワールを見れて大満足!鍋の中の緑のスライムみたいな液体も面白かったです!
ハッター帽子店

可愛い丸缶が売っているお店です。この丸缶は、ここでしか買えません。
もうお店の中全てがかわいすぎました。
(人気アイテムは売り切れるそうで、欲しいグッズがある人は先にグッズショップに行った方がいいです。)
魔女の本棚
魔女や魔法にまつわる児童文学や絵本や辞典が置いてありました。
魔女の住まいを見て「いつか魔女になりたい…!」なんて本気で思ってしまい、気になった本は後日図書館で借りました。
読めば読むほど、魔女とは“先人の知恵と知識を受け継ぐ、尊敬すべき女性”なんだと知って、ますます惹かれていきました。
「魔法って、もしかして本当にあるんじゃ…?」
そんな気持ちにさせてくれて、ありがとうございます。
メリーゴーランド

ジブリ作品に出てくるメカやキャラクターに乗れる乗り物。
ベンチがあるので、目の前で回っているのをずっと眺めていました。ハウルの動く城のBGMが今でも心地よく頭の中で流れています。
13人の魔女団(グッズショップ)
ほしかったグーチョキパン屋とハッター帽子店のクッキー入り缶、午後に行ったら売り切れてたのでとってもショックでした。。次は早めに行こう。
詳細はこちら
14:00〜17:00 ジブリの大倉庫
室内に入ってまず感動したのが、タイルの美しさ!実際に間近で見ると、発色の鮮やかさや質感に圧倒されました。

DVD『ジブリパークができるまで。』を見て印象的だったのが、タイル職人さんたちの“発色へのこだわり”。
高温で焼くと耐久性は上がるけれど色味が落ちてしまうこと、釉薬の種類や焼成温度によって微妙に色が変わることなど、繊細な調整が必要なんだそうです。
あの鮮やかさには、まさに職人の技と情熱が詰まっていましたね。

哲学研究会の展示

冒険飛行団(グッズショップ)

大混雑なので、買いたい物は事前に決めておくべし!
詳細はこちら
シベリ❆あん

にせの館長室
『千と千尋の神隠し』の湯婆婆がいます。




南街・猫かぶり姫(駄菓子店)
レトロな商店街。書籍を取り扱う「熱風書店(ねっぷうしょてん)」、模型を販売する「大空模型(おおぞらもけい)」、「駄菓子 猫かぶり姫」があり、実際に商品を購入することができます。




オリヲン座
アールデコ調がツボです。

床下の家と小人の庭
アリエッティの世界に迷い込んだみたいです。






猫バス&こどもの街
撮影NG/大人だけでは入れないので、子連れで来て本当によかった…と思いました。
街が直線ではなく、装飾などの遊び心が細部までこだわっていて見つけるのが楽しかったです!
ジブリのなりきり名場面展
終了まで5分しかなかったので、ささっと見てしまいました。
デザイン探求記としての気づき・まとめ
- 空想を現実にする、手仕事のこだわりが随所に
- アニメの中の線や質感が“立体”になった感動
- 建築・空間・文字までもが、すべて「遊びの設計」になっている
- フォント・看板・案内板…細部まで手書き風で、世界観にブレなし
- 最新技術じゃなく“懐かしさ”で勝負する姿勢が、逆に新鮮
- アニメ → リアルへの昇華力が圧巻
- 建物も小物も、見えない部分までアイディアと手仕事の宝庫
- 子ども視点のデザインが秀逸(動線、目線、しかけの工夫)
- ディテールへのこだわりに「職人魂」を感じ、自分の仕事にも火がついた
ジブリ作品が“空間”として存在していて、グッズも世界観バッチリでかわいすぎました。
職人さんたちの丁寧な仕事を目の当たりにして、ジブリパークはまさに「手仕事の結晶」だと実感。
USJやディズニーのようなショーアップされたエンタメとはまた違って、広い公園の中をゆっくり歩きながら、ジブリの世界観にじんわりひたる。
そんな“静かな贅沢”が、ここにはありました。